コラム31:しもやけについて
2014.1.22 弁護士 岸 敦子
法律と関係のない話題で恐縮ですが、私は極度の寒がりと冷え症です。冬の持病は足先のしもやけで、毎年痛みに悩まされています(一般にはかゆいと思われているようですが、私の症状はかゆみというより痛みです。)。仕事で高知県内に赴任していたことがありますが、赴任地の希望に関するアンケートにも、しもやけを理由に北の方は避けてほしいと書いたほどでした(大笑いされてしまいましたが、真剣でした)。
希望どおり(?)南の高知県安芸市に赴任しましたが、人の体質というのはそう簡単に改善されるものではありませんし、安芸にも冬はありますのでやはりしもやけになりました。引き続き痛みに苦しみながら3年間の冬を過ごし、東京に戻ってきて寒さを実感しながらこの原稿を書いています。
この間、周囲の方々からもアドバイスをいただき、(皮膚科にかかることはもちろん)、体を温めるという生姜を食べてみたり、ストレッチやマッサージをしてみたりといろいろ試してみました。また、末端が冷えるのはタンパク質が足りないからだと何かに書いてあったので、肉や大豆製品を多めに食べてみたりもしましたが、食べ過ぎたのか胃腸の調子が悪くなり、今のところ妙案は見つかっていません。
暖房のきかない部屋で過ごすなどして一時的にしもやけになったという方には何人かお会いしたのですが、皆さん比較的早期に回復され、毎年この病気になるという人には今のところ会ったことがありません。孤独で寂しいのですが、命にかかわるような持病ではないことを感謝すべきなのだろうとも思います。
弁護士の業務の中には、依頼者の方の悩みや苦しみを、代理人として相手方や裁判所に伝える場面があります(もちろん、私のしもやけよりもはるかに深刻なものです)。私自身は実際に体験していないですし、文章での表現には限界もあるのでしょうが、その人にはその人の、深刻な悩みや苦しみ、それ故の孤独感があることを、しもやけの季節以外も決して忘れず、理解する努力、伝える努力を重ねていこうと思います。