コラム20:須崎に赴任するにあたって
2012.12 弁護士 中江 詩織
私は、平成24年1月に、法テラスの常勤弁護士として、過疎地に赴任するための実務経験を積むため、ひめしゃら法律事務所に入所致しました。1年間の期間を経て、平成25年1月からは、高知県にある法テラス須崎法律事務所に赴任します。
私が赴任する須崎市には、高知地方裁判所須崎支部があり、須崎支部の管内人口は約9万5000人です。それに対し、管内弁護士数は平成24年12月時点で3人です。その構成は、法テラス須崎法律事務所の弁護士が2人、須崎ひまわり法律事務所の弁護士が1人と法律事務所としては2つのみです。私は、法テラス須崎法律事務所に所属している弁護士と交代で赴任するため、赴任しても須崎支部管内の弁護士数は3人のままで変わりません。これらの数字から分かるとおり、須崎支部の弁護士数は少なく、赴任後は地域の人々に密着した活動が求められています。
身近に弁護士のいない状況は、そもそも相談することができない、相談出来たとしても、その後の十分な打合せが出来ないという問題があります。さらに、生活に身近な問題であれば、それを解決する上で、地域の特色、環境等が影響してくるものもあります。私は、入所を契機に関西から引っ越してきたため、当初相談や打合せに出てくる多摩の地名や場所が分かりませんでした。ましてや、その地域の特色や環境となるとより深く調べてみないと分かりません。地域に根ざしている身近な弁護士であれば、このようなことはありません。この点でも身近な弁護士、地域に根ざした弁護士の必要性を改めて感じた1年でした。
ひめしゃら法律事務所は、地域に根ざした法律事務所として、多摩地域である立川市で活動しています。そのような事務所で経験を積む中で改めて地域に根ざした法律事務所の大切さを感じました。この1年の経験を生かし、須崎に赴任後は地域の人々のために活動していきたいと思っています。