コラム16:被災地支援ボランティア
2011.11 事務局員 日下 努
先月(10月)のとある週末に石巻市に行きました。目的は東日本大震災で被害に遭われた人々を支援するボランティアに参加するためです。
実は宮城県に行くことと、ボランティアと名の付く取り組みに参加するのが初めてでした。これまで震災や水害などの支援ボランティアを要する大きな災害の度に、自分でも何か直接役に立つことができないか、と考える一方で、本来ボランティアはあまり必要ない(政治や行政がやればいい)、と思っていました。
しかし現実には、災害で支援を求めている方々が数多くいます。公的な支援がなければ当然私的支援(ボランティア)も含めて支援すべきだとも強く思います。今回石巻市に被災地支援ボランティアに参加する機会を得たので参加してきました。
具体的に何をしてきたかといいますと、石巻市内の仮設住宅に避難されている方々にお米や大根やジャガイモなどの日保ちする野菜、衣類、洗剤などの雑貨、食器などを無料で配布するバザーでした。この無料バサーは二日間行いました。
無料バザーの合間に、石巻市内と女川市内の被災地見学を行いました。地震による津波の被害は、実際に見てみるとテレビで見ているより凄まじい規模だということがよくわかりました。また、被災地を案内してくれた方のお話を聞くと、津波から助かった人の体験談や、被災後の生活や苦労など、被災地の実情を知ることができました。
津波や震災の被害は、住まいを失った方々だけの問題ではありません。直接・間接的な企業倒産や、失業、二重ローン問題などを解決し、地元の商店や企業再建がなされなければ、被災地の復興にむけた下地ができません。また、福島県のように福島第一原発からの放射能被害に象徴されるように、この国のこれまでの電力行政や、被害の補償など、まさに課題は山積みです。
これらの課題は、善意の募金や救援物資、ボランティアだけの力だけでは到底解決できません。被災地からの「声」を聴き、具体的な支援をするのが政治の役割です。いま政府は、各地の原発運転再開、農業はじめ関税撤廃を定めるTPP(環太平洋連携協定)、庶民増税など震災復興にマイナスとなることばかりをしようとしています。
2009年夏の政権交代は、有権者の「声」を政治に反映できなかった(無視した)当時の政権党の政治がもたらした結果でした。今回の被災地の復興・支援・補償には、政治に「声」を届け、その「声」を実現させる姿勢が問われていると思います。