コロナ禍のペットブームから思うこと
長引くコロナ禍によるおうち時間の増加や自粛生活のストレスから生活に癒しを求めてペットを飼う人が増えていて、ペットショップでは子犬・子猫の販売数が昨年の2倍に増えたとのニュースを目にする機会が多くありました。
しかしその一方で、安易に飼った結果として、「テレワークが解消され出勤しなければならなくなったので面倒がみられない」、「飼ってみたら意外と大変だった」、「コロナ禍で経済事情が悪化した」等の理由で購入してすぐに動物愛護団体に引き取りを依頼したり、遺棄される犬・猫が急増しているとのニュースも多く報じられました。
動物愛護法の改正や殺処分ゼロに向けた取り組みが進む一方で、いまだに命ある動物を軽い気持ちで迎え入れる人やアクセサリー感覚で扱う人が多いことに悲しみと憤りを覚えます。
広く世界中に伝わる詩で、犬と暮らす上で常に心に留めて欲しいことを犬が飼い主に語りかける形式で綴られた『犬の十戒』という有名な詩があります。
『犬の十戒』
第一戒:私の一生は10年から15年ほどしかありません。だから、ほんのわずかな時間でも、あなたと離れていることはつらいのです。何があっても最後まであなたのそばにおいてもらえますか。 私を迎える前に、どうかそのことをよく考えてください。
第ニ戒:私は、あなたが何を求めているのか理解するまでに時間がかかります。だから理解するまで少し待ってほしいのです。
第三戒:私を信頼してください。それが私にとってあなたと一緒に生きる幸せなのですから。
第四戒:私のことをずっと叱り続けたり、罰として閉じ込めたりしないでください。あなたには他にやる事があって、楽しみがあって、友達もいるかもしれない。でも、私にはあなたしかいないのです。
第五戒:時には私に話しかけてください。 たとえ、あなたの話す言葉はわからなくても、 あなたの声を聞けば、私に何を言ってくれているのか、分かるのです。
第六戒:あなたがいつも私にどんな風に接しているか、考えてみてください。 あなたがしてくれたことを、私は決して忘れません。
第七戒:私を叩いたり、いじめたりする前に覚えておいて欲しいのです。私は鋭い歯であなたを傷つけることができるけれど、決してあなたを噛まないようにしているということを。
第八戒:私が言うことを聞かないとか、手に負えないとか、怠け者だと言って叱る前に、何か理由があるのではないかと考えてみてください。もしかしたら、食事に問題があるかもしれないし、長い間日に照らされているかもしれない。それとも、もう体が老いて弱ってきているのかもしれません。
第九戒:私が年老いても、どうか世話をしてください。 私達はお互いに、同じように歳をとるのです。
第十戒:最後のお別れの時には、どうか私のそばにいてください。「つらくて見ていられない」とか「立ち会いたくない」とかそんなこと、言わないでほしい。 あなたがそばにいてくれるなら、私は安らかに逝けるのですから。そして、どうか忘れないで。 私がいつまでもあなたを愛していることを。
この詩は犬から飼い主への「お願い」とされていますが、犬だけではなく他の動物達にも通ずる「お願い」でもあると思います。
これから動物を迎えようとする方は、自分が最期までその子を愛し抜くことができるかどうかをよく考え、そして今動物と暮らしている方は、自分が我が子に対して愛情を持って誠実に向き合えているかどうかを、この詩を読みながらぜひもう一度考えてみて欲しいと思います。