第3次新横田基地公害訴訟を提起しました
皆さんは、多摩地域にも米軍基地があることをご存じですか。
東京都西部の立川市、昭島市、福生市、武蔵村山市、羽村市、瑞穂町にまたがる米軍・横田基地は、国内最大級の米軍基地であるとともに、在日米軍司令部が置かれ、在日米空軍の本拠地として機能しており、在日米軍にとって非常に重要な基地となっています。また、2012(平成24)年からは、航空自衛隊の航空総隊司令部も置かれています。ベトナム戦争当時は、横田基地からベトナムへ向けて爆撃機、輸送機等が昼夜を問わず出撃していました。
現在も横田基地では、昼夜を問わず、横田基地に常駐する輸送機やヘリコプターが基地周辺を飛び回り、さらに、全国にある在日米軍の飛行場やアメリカ本国の空軍基地などから輸送機、戦闘機やヘリコプターなどが飛来してきます。そのため、基地周辺の住民は、横田基地を離発着する飛行機等の騒音に50年以上も苦しめられてきました。中でも、横田基地に2018(平成30)年から配備されたCV-22オスプレイは、他の飛行機とは全く質の異なる騒音をまき散らしており、周辺住民はその騒音だけでなく、音による振動や威圧感から恐怖を抱くこともあります。
1976(昭和51)年以降、周辺住民は、大きく3回にわたり、横田基地の航空機騒音を止めさせようと訴訟を提起してきました。これまで11回の判決が言い渡されていますが、基地周辺の一定の地域の騒音は、人格権を侵害する違法なものと認定され、損害賠償が認められてきました。しかし、前述のとおり、横田基地周辺の航空機等による騒音は、減少するどころから、オスプレイの配備以降騒音が激化しており、ますますひどくなっています。
そこで、2022(令和4)年6月20日、周辺住民1282名(第1陣)が、第3次新横田基地公害訴訟団として、静かな空を実現するため、夜7時から翌朝7時までの飛行の差し止め、オスプレイの終日の飛行差し止め、過去3年分と将来差し止めが実現するまでの月額2万2000円の損害賠償を求めて、東京地方裁判所立川支部に訴訟を提起しました。また、第1陣に続き、周辺住民166名が第2陣として同じく損害賠償を求めて、12月21日に訴訟提起しました。弊所からは、杉野弁護士、鈴木弁護士、私の3名が同訴訟の弁護団に参加しています。
第1回目の口頭弁論は、2023(令和5)年1月26日(木)午前10時30分に、東京地裁立川支部の101号法廷で開かれます(なお、傍聴のための整理券配布が当日事前に行われる予定です。)。横田基地の騒音問題にご興味が湧いた方はぜひ傍聴にいらしてください。
また、第3次新横田基地公害訴訟団では、引続き、原告となられる方の募集をしています。ご自身が原告となることができる地域にお住まいであれば、原告となることはできますので、ご興味が湧いた方、航空機騒音を無くしたいとお考えの方は、第3次新横田基地公害訴訟団(https://3rd.yokota-kougai.com/)までご連絡ください。