宮本 康昭 弁護士
弁護士登録年
1973年(昭和48年)
ご挨拶
私はこれを専門に、と志した分野はなく、従ってこれが得意、と挙げる分野もないのですが、経験を積んだことによって、これならやれるなと言える分野はいくつかあります。
まず第1に、消費者と消費者被害に関わる分野です。
消費者が企業の独占禁止法違反(カルテル)によって蒙った被害の回復訴訟を長くやりました。そこから、消費者団体の運動につながり、日本生活協同組合連合会、さらには大学生活協同組合連合会の組織や運動の問題にもかかわりました。主婦連合会ではいまでも消費者問題の研究活動を続けています。
また、カネミ油症の被害回復訴訟、原野商法による被害者グループの訴訟など、いくつかの消費者被害回復要求にかかわっています。
2つめのグループは環境問題です。椿峰(狭山丘陵)、御殿山(品川)、赤羽北口、府中日鋼跡地、多摩丘陵など、いずれも開発反対と自然環境保全をめざすものです。このうち椿峰はのち日本では珍しいナショナルトラストに発展し、トトロ財団としていまも活動しています(今も財団顧問をやっています)し、御殿山は中央公害等調整委員会に持ち込んだのですが、その時の合意で自然景観の回復や植栽計画にも関与することになりました。
3つめは行政規制への異議にかかわるものです。保育所の入所拒否、保育料値上げ、という保育行政不服訴訟を東京都区内と多摩のそれぞれの行政を相手にやりました。日本酒の製造と販売の免許(酒造免許と酒販免許)をめぐって長く国税当局と争いました。2つめにあげたグループの各開発阻止はいずれも開発行政への異議申立ともなっています。
4つめは人権侵害救済の仕事です。職場での過労の結果の自殺の責任を会社に問う案件があり、このときは敗れてしまいましたが、過労死の問題が定着した今だったら勝てたのに、と思います。3つめで挙げた保育行政への異議申立は、子どもの人権侵害への対抗措置でもあります。またセクハラ・パワハラ被害への対応があります。私は東京経済大学の教職にあったことがあり、その期間を通じて同大学の人権委員会委員長でしたので、その縁から携わることになった案件もあります。
刑事裁判の分野や家庭事件(家事・少年)は除き、いわゆる「民事」にかかわる活動だけを挙げました。
略歴・諸活動等
- 1958年 九州大学卒業
- 1973年 弁護士登録
- 1992年 東京弁護士会 司法問題対策委員会 委員長
- 1999年 日本弁護士連合会 司法改革実現本部 事務局長
- 2006年 法テラス多摩法律事務所 常勤弁護士